住居確保給付金とは?いつまで・いくら・対象者と申請方法を解説
住居確保給付金は、離職や廃業で収入が大きく減った世帯に最大9か月分の家賃を支給する公的制度です。対象者・支給額(市区町村別)・支給期間・申請窓口を、制度の要点とあわせて解説します。

家賃が払えず住まいを失うおそれがある世帯に向けて、国が家賃を立て替えて支給する公的制度が「住居確保給付金」です。離職や廃業で収入が大きく減った世帯を対象に、原則3か月、延長を含めて最大9か月分の家賃を支給します。
この記事では、住居確保給付金の対象者・支給額・支給期間・申請方法を、制度の要点とあわせてわかりやすく解説します。お住まいの市区町村の窓口と上限額は、記事の最後から地域ページで確認できます。
住居確保給付金とは?
住居確保給付金は、生活困窮者自立支援法(第2条第3項)に基づく公的制度です。離職・廃業後2年以内、またはそれらと同程度に働く機会が減った世帯に対し、家賃相当額(上限あり)を支給して住まいの確保を支えます。
もとは新型コロナ対策の特例措置として始まりましたが、令和6年度の法改正により、いまは恒久的な制度として運営されています。令和6年度改正では、家賃だけでなく転居にかかる費用(引っ越し費用)への支援も追加されました。ただし対象となる要件の基本は変わっていません。
だれが対象になる?(3つの要件)
住居確保給付金を受けられるのは、おおむね次の3つの要件をすべて満たす世帯です。
1. 離職・廃業から2年以内、または収入が大きく減った
次のいずれかに当てはまる世帯が対象です。
- 離職や廃業をした日から2年以内である
- 離職や廃業には至っていないが、働く機会や収入が離職・廃業した場合と同程度に減っている
2. 世帯の収入が基準以下
世帯の月収が、「市町村民税の均等割の非課税額の12分の1」に家賃を足した額以下であることが条件です。つまり、収入が少なく、家賃の負担で生活が成り立たない状態が対象になります。
3. 預貯金が基準以下
世帯の預貯金等が、生活保護の生活扶助基準額の6か月分を上限(最大100万円)以下であることが条件です。一定額以上の貯金がある場合は、まずそれを生活費に充てることが前提になります。
4. 求職活動などの努力をしている
住居確保給付金は「就労による自立」を目的とした制度です。そのため、支給を受ける間は次のような活動を続けることが求められます。
- ハローワークで月2回以上の求職活動
- 企業への応募を週1回以上
- 自立相談支援機関での相談を月4回以上
活動の記録は窓口から求められます。
いくら・いつまで支給される?
支給額(家賃の立て替え)
支給されるのは、原則として実際の家賃相当額です。ただし、お住まいの市区町村と世帯人数によって上限額が決まっており、上限は生活保護の「住宅扶助」の額と同じ仕組みで決まります。家賃が上限を超える場合は、上限額までが支給されます。
支給金は原則として、借り入れている事業者(貸主)へ直接支払われます。
支給期間
支給期間は原則3か月です。その後、状況に応じて延長が認められ、延長を含めると最大9か月間支給を受けることができます。
市区町村別の上限額(目安)
上限額は、生活保護の住宅扶助と同じく「1級地・2級地・3級地」という地域区分と、世帯人数で決まります。同じ世帯構成でも、住む市区町村によって上限額が異なります。
次の表は、単身(1人)世帯の月額上限の実例です(令和6年度時点の公開情報に基づく目安)。
| 市区町村 | 単身世帯の月額上限(目安) |
|---|---|
| 富谷市(宮城県) | 46,000円 |
| 市原市(千葉県) | 41,000円 |
| 枚方市(大阪府) | 38,000円 |
2人以上の世帯では、たとえば札幌市で2人世帯の月額上限が43,000円程度と公開されています。正確な額・現在の窓口は、必ずお住まいの自治体でご確認ください。
お住まいの地域の制度は、都道府県から探すページから確認できます。
申請方法と窓口
住居確保給付金の申請窓口は、お住まいの市区町村の福祉事務所(または生活困窮者自立相談支援機関)です。全国に約900か所の窓口があります。
申請の主な流れは次のとおりです。
- 窓口に相談する — まずは自治体の自立相談支援機関に相談します。
- 書類をそろえる — 離職票、賃貸借契約書、収入・預貯金がわかる書類などが必要です。
- 申請書を提出する — 窓口で申請し、要件の審査を受けます。
- 決定・支給 — 審査を通過すると、原則として貸主に直接支払われます。
窓口がどこになるかは市区町村によって異なります。小さな町村では近隣市の福祉事務所が管轄する場合もあります。お住まいの地域の窓口は、都道府県から探すページからたどれます。
よくある質問
Q. 会社を辞めていなくても対象ですか?
はい。離職・廃業に至っていなくても、働く機会や収入が離職・廃業した場合と同程度に減っていれば対象の可能性があります。
Q. 貯金はいくらまで大丈夫ですか?
世帯の預貯金等が、生活扶助基準額の6か月分(最大100万円)以下であることが目安です。ただし正確な基準額は世帯構成や地域で変わるため、窓口でご確認ください。
Q. 家賃はいくらまで払ってもらえますか?
実際の家賃相当額が支給されますが、お住まいの市区町村と世帯人数による上限額が適用されます。上限額は生活保護の住宅扶助と同じ仕組みで決まります。
Q. 支給期間は延長できますか?
原則3か月ですが、状況に応じて延長が認められ、最大9か月間支給されます。延長時も引き続き求職活動などが求められます。
まとめ
住居確保給付金は、離職・廃業などで収入が大きく減り、家賃が払えなくなった世帯を対象に、最大9か月分の家賃を支給する公的制度です。対象となるには、収入・預貯金・求職活動の3つの要件を満たす必要があります。
申請窓口や上限額はお住まいの市区町村によって異なります。まずは自治体の福祉事務所や自立相談支援機関に相談するのが第一歩です。
お住まいの地域で受けられる制度は、都道府県から探すページから確認できます。